台風のアジア名がわかる本

内容紹介

台風にはアジア名という名前がある！＜本書の3つの特徴＞

アジア名の由来がわかる

現在のアジア名140個だけでなく、既に使われなくなったアジア名を加えて、全部で205個のアジア名の由来を解説。名前のもととなった言語による表記と発音記号も記載。

アジア名と番号の対応がわかる

それぞれのアジア名が、何年の第何号の台風として使われたかが一目でわかる表を掲載。

アジア名による索引が充実

台風のアジア名を検索できるように索引を完備。英字でもカタカナでも検索可能。

本書「はじめに」より

ダムレイ、ハイクイ、キロギー、インニョン、コイヌ、ボラヴェン、サンバ、ジェラワット、イーウィニャ、マリクシ、ケーミー、プラピルーン、マリア、ソンティン。

これらはすべて、台風に付けられた名前です。そして、すべての台風には、名前が付けられています。これを台風のアジア名といいます。

アジア名には20年以上の歴史がありますが、残念ながら、私たちが目にする機会はあまり多くありません。台風に関する情報を発表する気象庁は、世界に向けて国際的に発信する情報にはアジア名を使いますが、日本国内向けに発信する情報には、基本的にアジア名を使っていないからです。

台風は、日本だけでなく、アジア、太平洋の多くの国々に、毎年のように大きな被害をもたらします。台風に深く関わるこれらの国や地域のそれぞれの言葉で、台風のアジア名は名付けられています。

例えば、冒頭に挙げた台風のアジア名は、クメール語、中国語、朝鮮語、広東語、日本語、ラオス語、マレーシア語、チューク語、フィリピノ語、タイ語、チャモロ語、ベトナム語といった、アジア、太平洋の国々で話される言葉がもとになっています。

そのようなアジア名は140個あって、台風が発生するたびに順番に名付けられます。本書では、140個のアジア名に加えて、過去に使われていたアジア名を含めて、全部で205個のアジア名について、意味や由来を解説しています。

本書のように、台風のアジア名だけに内容を絞った書籍は、おそらくこれまでになかったでしょう。内容を限定した一方で、台風それ自体についての科学的な説明や、台風予報のしくみなど、アジア名以外の内容は本書に含まれていません。そのような幅広い知識を得たい方は、気象庁のウェブページや、巻末の参考文献に挙げた書籍を参考にしてください。

本書は、はじめから読み進めても構いませんし、パラパラとページをめくって気になったアジア名だけを読んでみるのでも構いません。巻末の台風名索引を使えば、どこかで見聞きしたアジア名のページに簡単にたどり着けます。

では、奥深い台風のアジア名の世界へ、足を踏み入れてみましょう。

正誤表

初版 第2刷において、「台風名索引」を修正しています。

正誤表（PDF）