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2025年に購入した語学書たち

語学についての情報
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2025年が終わろうとしています。

このサイトでは語学に関する投稿をしていますが、今年4月に、ロシア語の代名詞について、8つの記事を投稿したきりになっていました。「初級ロシア語」の連載は、数詞編を執筆中ですので、もうしばらくお待ちください。

さて、今回は、わたしが購入した2025年発売の語学書から、5冊をピックアップしてご紹介します。2025年より前に発行された書籍も多く購入していますが、ここでは新しく発行された書籍にしぼって紹介します。

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2025年に購入した語学書

『ドイツ語文法大全』語研 2024.12

田中雅敏、バウアー・ラース(著)
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最初にご紹介するのは、語研の『ドイツ語文法大全』です。正確には、2024年12月に発行された書籍ですが、ここでご紹介させてください。

田中雅敏先生とバウアー・ラース先生の著書で、昨年の『2024年に購入した語学書たち』の記事で、気になる書籍として挙げました。

「初級者から上級者まで必携」と謳っていて、第I章の総説では、ドイツ語文法の特徴を概説しています。続く第II章の名詞編で、名詞、形容詞、代名詞、前置詞を、第III章の動詞編で、動詞、助動詞、準助動詞を解説しています。

第IV章の文編では、法や時制、受動態など動詞を中心とした様々な表現のしくみを解説しています。そして第V章では、数詞や分詞を含め、雑多な知識についての説明が続きます。

本書は、「やや詳しい」文法事項まで網羅していて、痒いところに手が届く文法書です。随所に掲載されるコラムでは、ドイツ語の歴史に言及して文法項目を補足したり、ドイツ語についての雑学的な知識についても触れられています。また、何と言っても四六判のハンディサイズなのがお気に入りです。

『これからはじめる アラビア語入門』NHK出版 2025.02

師岡カリーマ・エルサムニー(著)
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NHK出版の「これからはじめる◯◯語入門」シリーズに、アラビア語が登場しました。NHKのアラビア語講座でもおなじみの、師岡カリーマ・エルサムニー先生の著書です。

本書は340ページを超えます。他の「これからはじめる◯◯語入門」シリーズ(200~240ページ)と比べても、その厚さに驚きます。NHK出版では、「これならわかる◯◯語文法」という、入門から上級までカバーする文法書シリーズも出版していますが、これに匹敵する厚さですね。

入門から中級レベルのアラビア語文法を学べます。第1章でアラビア文字をしっかりと学び、第2章で、20課にわけてアラビア語文法を学べる構成になっています。

各課の各項目ごとに練習問題が置かれているのも、ページ数が増えた要因でしょう。その分、より文法の理解度は上がります。

本書は赤と黒の二色刷りですが、全てのアラビア語単語のシャクル(母音記号、スクーンやシャッダのような発音記号)を赤色で表示しています。これらの記号は、ふだん目にするアラビア語では表記されないことが多いので、文字そのものと記号との違いを意識して学習することができます。

『学校英文法に筋を通す』開拓社 2025.08

上野義雄(著)
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続いて、開拓社から発行された『学校英文法に筋を通す』です。上野義雄先生の著書です。

これは、語学書ではなく、言語学・英語学の書籍です。

中学・高校で学ぶ「学校英文法」の説明には、どうしても筋の通らない、あるいは、論理的に無理のある点があります。それを、品詞分類、文法機能(主語、目的語、補語など)と統語範疇(語、句、節など)、句や節、基本5文型、準動詞、時制・相・法、に着目して分析し、どのように修正すれば「筋が通る」ようになるか提案しています。

私は、長年、学校英文法での仮定法の説明に矛盾を感じていました。本書では、現代英語には、動詞形態のカテゴリーとしての仮定法(と命令法)は存在しないと分析しています。

このこと自体には、私も納得します。しかし、「英文法をどのように説明するのがよいか」の答えとしては、私は全面的に賛成はできないと感じています。もっとも、著者も「本書は、(中略)「学校英文法」を英語学習者向けに分かりやすく解説するという内容でもないので、注意されたい」と言及しています。

ここまでの説明を読んで感じたと思いますが、本書は、「「学校英文法」をすでに身につけていてその枠組みを外側から冷静に眺めることができる人」が想定されています。統語論などの言語学の知識があると、本書理解の助けになります。

『ラテン語とギリシア語』筑摩書房(ちくま学芸文庫) 2025.09

風間喜代三(著)
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続いては文庫です。ちくま学芸文庫から発行された『ラテン語とギリシア語』です。

風間喜代三先生の著書で、1998年3月に三省堂から出版された書籍の復刊です。

本書は、西洋古典語と言われるラテン語と古典ギリシア語を同時に概観することを意図して書かれたそうです。

言語の系統、文字や発音、アクセントに始まり、続く「形態」の章(第6章)では、品詞の分類、性・数・格、数詞、人称、時制、態、法、分詞について、古典ギリシア語とラテン語を比べながら、その特徴を解説しています。その後、統語、韻律、固有名詞へと説明が続きます。

本書は、ラテン語と古典ギリシア語について、専門的になりすぎない範囲で概説したものです。読み物であって、学習書ではありませんから、本書でラテン語や古典ギリシア語の文法を学ぶことはできません。そのような目的には、他の書籍を使うのが良いでしょう。

両者を比べながら「学習」する書籍としては、『ラテン語とギリシア語を同時に学ぶ』(白水社、2015年8月)があります。

『ドイツ語の発音 正しい音をつくるコツ』語研 2025.09

バイヤー田口 ディアナ、⽥中雅敏、バウアー ラース(著)
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最後に紹介するのは、語研から出版された『ドイツ語の発音 正しい音をつくるコツ』です。

バイヤー田口・ディアナ先生、田中雅敏先生、バウアー・ラース先生の共著です。後のお二人は、『ドイツ語文法大全』の著者でもあります。

本書は、ドイツ語の発音について、音声学の知識を活用して説明した書籍です。

言語のさまざまな発音の違いは、主に、口の中の空間を変化させることによって生まれます。特に、舌をどのように変形させて、息や声を通過させるかが重要です。また、口の開き方をどのように変えるかによっても発音は変わります。

もちろん、ここまでの知識がなくても、また、ここまで正確に音の違いを発音し分けることができなくても、最低限のポイントだけを押さえれば、外国語での会話に大きな支障は生じません。

しかし、よりスムーズな意思疎通には、音声学の知識を使って発音を習得することが重要になります。ドイツ語らしい発音にも必要です。この点においても、本書のような書籍の存在は貴重です。

惜しむらくは、すべての口腔図(口の中の断面を模した図)において、口蓋帆が下がって描かれていることです。これでは、すべてが鼻音になってしまいます。

[d] の口腔図(本書 p.96)

また、初版で、母音 [aː] をもつ単語の例に、適切ではない単語が含まれている点について、田中雅敏先生はXで次のようにも述べられています。

今後の重版や改訂の際に、記述が改められると思います。

2025年発売の気になる書籍

2025年に発売された語学書の中で、わたしが購入してはいませんが、気になったものを3つピックアップしました。

こちらは購入していないので、タイトルのみをリストアップします。

  • 『アイスランド語文法ハンドブック』白水社
  • 『英語語源ハンドブック』研究社
  • 『古英語への扉[音声DLつき]』大修館書店

『英語語源ハンドブック』は、かなり話題になっていますね。もう少し版が改まって誤植が修正された後に、購入すると思います。

まとめ

2025年は、多くの出版社が精力的に語学書を出版していたように感じます。

2024年に引き続き各社とも、過去のCD付きの書籍を、音声ダウンロード方式に変更して改訂する動きが加速していました。

わたしの趣味や嗜好にマッチする書籍を多く出版していただけるのは、やはり白水社です。今回はご紹介できませんでしたが、『ニューエクスプレスプラス』シリーズの[音声DL版]が続々と発行され続けています。

白水社の「エクスプレスシリーズ」については、次の記事に詳しく解説しています。

語研は、とても熱心に語学書を出版していて、Xでの書籍紹介にも力を入れていました。今回は語研から2冊ご紹介しました。

2026年も、どんな書籍が発売されるか楽しみです。しかし、書籍の価格も年々上がっていますから、読者としては厳選して購入せざるを得ません。

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